■高尿酸血症と日本人特有の症状


   痛風の前段階ともいえるのが高尿酸血症です。高尿酸血症とは、
   血中に存在する尿酸の血中濃度が異常に高い状態をいいます。
   これは、プリン体を代謝するときの老廃物で、通常は尿などと
   一緒に排泄されるが、過剰なプリン体の摂取によって、生成
   された尿酸が体外へ排泄しきれなくなることに起因します。

   これはプリン体の過剰摂取が原因ですが、もう一つ先天的な
   問題もあります。HGPRT欠損症やAPRT欠損症と呼ばれている
   もので、先天的な遺伝子の疾患によって、必要以上に尿酸を
   生成してしまうのです。どちらも尿酸の代謝酵素に関わる
   遺伝子の異常ですが、このうちAPRT欠損症は、世界中でも
   日本人にしか見られない遺伝子疾患です。

   もともとは日本人も欠損していなかったものが、弥生時代の
   一人の日本人におこった突然変異が原因で、その後の日本人
   の運命を変えてしまったのです。諸外国と地続きではない、
   島国ならではの特徴といえます。そして実は、さらに時代を
   さかのぼると、後に日本人に起きたような突然変異が人類
   全体に起きていたのです。それは、いずれかの時代において、
   人類は尿酸を分解する酵素を失ってしまったということです。

   ちなみに、人間をのぞく霊長類は全て尿酸を分解する酵素を
   持っています。ですから、なぜ人間だけがこの酵素を失って
   しまったのかは分かっていません。しかし、仮説はいくつか
   あります。まず、一部の人類が尿酸分解酵素を失っても、
   その後の進化においてなんら影響がなかったため、徐々に
   広まっていったとする説。もう一つはそもそも人類は尿素
   分解酵素を持っていなかったとする説です。

   ある時代、地域の人類は肉・魚を主なエネルギー源としな
   かったため、体内へのプリン体の摂取が少なく、尿酸分解
   酵素がないことが生存について問題がなかったという考えです。

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